デジタルグリッドコラム

企業の脱炭素や電力取引にまつわる最新情報を、デジタルグリッドがお届けします。

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執筆者 : 東京大学 未来ビジョン研究センター教授 国立環境研究所 地球システム領域 上席主席研究員  江守 正多:

地球温暖化の真実と化石燃料からの卒業(第2回)

地球温暖化の真実と化石燃料からの卒業(第2回)
世界の二酸化炭素排出削減目標達成の現状と対策
 現状、世界の排出削減ペースがその削減目標に全く追いついていません。平均気温の上昇を1.5℃に抑えるためには温室効果ガスを大幅に削減し、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることに加えて、メタンガス等の排出も大幅に削減する必要があります。一方世界各国で実施されている政策は、必要な排出削減に程遠い水準です。現状の政策だけでは温室効果ガスの排出を一定に保つ程度です。ただし、各国は削減目標を掲げていますので、まだ実施されていない政策が実行され目標を達成した場合にはベストケースとしてなんとか気温上昇を2℃に抑えることができるかもしれません。しかし気温上昇を1.5℃に抑えるまでの目処は立っていません。また、各国の削減目標の達成も予断を許しません。たとえば現在米国は民主党政権ですが、仮に次の選挙で共和党政権となれば従来の気候変動政策が翻るリスクをはらんでいます。

地球温暖化の真実と化石燃料からの卒業(第1回)

地球温暖化の真実と化石燃料からの卒業(第1回)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)のレポート*を基に科学的知見から地球温暖化の真実、つまり温暖化の緊急性と、その対応策を企業経営に携わる全ての人に知っていただくことを目的としてこのブログをお届けします。
*IPCCのレポートとは2023年3月20日に発表された第六次評価書報告書AR6統合報告書です。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)サイクル | 地球環境・国際環境協力 | 環境省 (env.go.jp))