今回はボランタリーな環境活動としてのカーボン・オフセットの事例を紐解いてまいります。制度に対応する場合と異なり、実施方法の自由度が高いがゆえにストーリーを工夫する必要があります。
「どう達成したか」が評価される時代へ
J-クレジット入札結果推移(第9回の省エネクレジットは約定無し)
資源エネルギー庁資料:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/seido_kento/pdf/062_05_00.pdf
使用するクレジットのストーリー性についてはボランタリーなカーボン・オフセットにおいて重視されていることは第4回で述べたとおりですが、今後は目標達成やコンプライアンスとしてのカーボン・オフセットにおいても具体的な評価の対象となると考えられます。目に見えない「環境価値」は人の作った信用をベースに成り立っておりますが、この信用の質は創出側のみならず活用側にも影響してきます。
日本経済新聞でも何度か記事に取り上げられてるとおり、良かれと実施したカーボン・オフセットも、用いたクレジットの中身によっては企業のイメージを棄損することにもなりかねません。「安かろう悪かろう」は環境価値にも存在することを念頭に、中長期的な環境や社会への影響を考え、「良い買い物」をするための情報収集は、脱炭素経営のみならずSDGs 全体において大切なことだと思います。
日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE179110X10C21A9000000/
未来の世代へのマナーとして
最後に、1つ事例を紹介いたします。SDGs は世界共通の課題ですが、日本においても義務教育からSDGs が様々な形で採用されています。昨年、福島県磐梯町の磐梯中学校では、修学旅行を通じてSDGs への学びを深める取り組みを実施し話題になりました。
この修学旅行では、
デジタルグリッド株式会社
REC Manager 池田陸郎
今回はボランタリーな環境活動としてのカーボン・オフセットの事例を紐解いてまいります。制度に対応する場合と異なり、実施方法の自由度が高いがゆえにストーリーを工夫する必要があります。
これまで、カーボン・オフセットの普及展開やクレジット活用のルールについて述べてまいりましたが、今回と次回は具体的なカーボン・オフセットの事例を用いて企画から算定、実施までの流れを紹介いたします。