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気候変動 -  待ったなしの地球温暖化対策(第4回)

ート4 2020 - 2030:  気候の10年

 

 世界各地で気候変動の影響が懸念されるニュースが絶え間なく報じられていますが、同様に脱炭素化や気候変動対策に向けた動きもまた毎日のように報じられています。 裁判所の命令や、株主たちが大手石油会社に排出量へ削減を求めたり、グリーンテクノロジーセクターに金融投資家が殺到したりと、脱炭素化の実現に向けた動きが見られない日はありません。決して楽観的になれない理由もある一方で、これからの10年は、「気候変動の10年」になるでしょう1

  このブログでは現在進行中の重要なアクション、特に再生可能エネルギーの台頭、エネルギー転換に参加する市場の動き、そして政府、特に中国の役割に焦点を当てていきます。こういった変化は「緑の好循環(グリーンボルテックス)」と呼ばれる好意的な反応の一部であり、最終的に事態を正しい方向に導いていく可能性があると考えられています。

緑の好循環(グリーンボルテックス)


ロビンソン・マイヤー氏によると、脱炭素化は指令で成し遂げられるものではなく、好循環した結果として「グリーンスパイラル」もしくは 緑の好循環(グリーンボルテックス)2 がおこり、技術革新や経済的インセンティブがあることにより自ずと加速していくプロセスだとしています。その主な原動力となるのは利益が生まれるからですが、国内外の産業政策も大きな役割を果たしています。

グレッグ・ネメット氏によると風力発電所の増加は1970年のオイルショックの影響で、デンマークが自国の風力産業に種まき的に投資を始め、 その10年後にカリフォルニア州が大規模な風力発電所に助成金出すようになったことに端を発するといいます。 同様に安価な太陽光発電は、中国によるソーラーパネル工場への補助金と2010年以降のドイツの関税措置が重なって生まれたと言われています。3

現在の脱炭素化の鍵となるのは、クリーンエネルギー技術の着実な進歩であり、政府の補助金、諸外国の産業政策、税金優遇措置などのインセンティブによる断片的でボトムアップの投資です。 このプロセスの重要なターニングポイントは、高炭素含有量の製品を販売する企業が、代替の低炭素またはゼロ炭素製品の販売を開始したことです。 例えば電気自動車の場合、自動車業界が気候変動規制に反対する立場から賛成する立場に変わる可能性があり、実際こういった兆候が現れ始めています。フォードモーター社は最近、2023年以降ICE(内燃エンジン)車よりも電気自動車に多くの予算を費やす計画を発表しました。4

 

また、ブルームバーグNEFによる最近の調査によると、今からわずか6年後の2027年には政府の助成金が支給されなくても、電気自動車 やバンなどの電気商用車の生産コストは従来の化石燃料車よりも安くなるといいます。5

再生可能エネルギーの台頭


現在温室効果ガス排出量の約4分の3はエネルギーセクターが占めています。6その中でも最も排出量が多いのは電力/発電と発熱であり、次いで輸送と製造となっています。

国際エネルギー機関(IEA)が発表した「Global Energy Review 2021」によると、電力需要はここ10年で最も急速な伸びを示しており、2021年の世界の電力供給増加の半分以上を再生可能エネルギーが担うとされています。7 また、 再生可能エネルギーによる発電量の増加は、中国だけで世界のほぼ半分を占めると考えられます。

再生可能エネルギーの需要はすべての主要セクター(電力、暖房設備、産業、運輸)での増加が予想されていますが、特に電力セクターでの増加が顕著となっています。8 実際再生可能エネルギーは、パンデミックにもかかわらず2020年に需要が増加した唯一のエネルギー源であり、太陽光は地域によっては「史上最も安い電力」9となりました。 2020年の再生可能エネルギーの年間導入量は45%増の約280GWです。 IEAは2021年と2022年には、世界的に再生可能エネルギーの新規設備容量が異例の高水準で拡大するとこが「ニューノーマル(新しい生活様式)」になると予想しています。10

昨年2020年は再生可能エネルギー契約の競争入札や、企業の再生可能エネルギー取引量も記録的なものとなり、企業における電力購入契約(PPA)の締結は25%増の約25GWとなりました。

このような再生可能エネルギーを利用するためには、送電線への大規模な投資が不可欠です。特に電力の流れを調整するソフトウェア技術や、電力のボトルネックを回避するグリッド強化技術の継続的な向上が求められます。11 そしてバッテリーの低価格化もすでに効果を上げてきており、多くの科学者はクリーンエネルギーへの移行は予想よりもはるかに安価になると考えています。12

ボトムアップへ:市場の動き

2021年4月、再生可能エネルギー電力100%を目指す企業による世界的なイニシアチブ「RE10」は、参加企業が300社という画期的な数字を記録しました。 排出量の削減や顧客満足度の向上という目的の他に、再生可能エネルギー100%への切替えを後押ししているのは、コスト削減に繋がるからです。13

RE100を目指す企業はエネルギー調達の選択肢を広げ、調達する再生可能エネルギーの4分の1以上をPPAの締結にしています。14
企業向けPPAは 発電家にとって保証された収入をもたらしたため、再生可能エネルギープロジェクトの展開を加速させ、近年、米国、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の電力市場に変革をもたらしています。

また、Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)の成長も企業の進歩の一例です。 「SBTi 2020プログレスレポート」によると、世界のフォーチュン・グローバル500社の5分の1を含む、60か国、約50分野にわたる1,000社以上の企業がSBTiに参加し、排出量の削減に取り組んでいます。15 2020年にはコロナウィルスの流行にもかかわらず、月平均31社のペースでSBTiに参加していました。

更に気候変動関連のスタートアップ企業には、ますます多くのベンチャーキャピタルが出資しています。 16 太陽光発電や風力発電関連株ファンドは常にS&P 500をアウトパフォームしてきました。17最近ではネクステラ・エナジー社(フロリダ州で風力・太陽光発電の電力を電力会社に販売している企業)がエクソンやシェブロンに匹敵する世界で最も価値のあるエネルギー企業の1つになったとウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じました。18 近年気候変動対策の分野では、プライベートエクイティやインフラファンドからの投資資金の増加が顕著です。19

同様の変化は金融セクターでも起こっており、中央銀行は気候変動を金融・経済リスクとして想定し始めています。20

政府によって規制が設けられることに期待することも重要ですが、こういった脱炭素化の推進はボトムアップでも行われています。

トップダウン: 政府の役割と国境を越えた活動

このような市場動向が、政策を無用にする訳ではありません。こういった変化の中には投資家が政策の発表を期待することで起こっているものもあります。 つまり、将来は脱炭素社会になり、気候変動対策は経済に悪影響を及ぼすのではなく、経済成長に貢献するという意見もあります。

コロナウィルスのパンデミックにより政府介入(方針の策定やその実施)の重要性が痛切に明らかにもなりました。

国際的なガバナンスにおいて2020年は画期的な年となりました。2017年以前はG20の中でゼロ・エミッションを達成すると誓約した国は1つもありませんでしたが、 現在では50カ国以上がゼロ・エミッション宣言をしています。 これにより、何百もの地域、都市、企業の誓約とあわせて、世界のGDPとCO2排出量の約70%がネットゼロ目標を掲げていることになります。21これらの誓約のうち疑問のある前提条件もありますが、少なくとも私たちが進むべき方向性を伝える役割を果たしているといえます。

これらの誓約に伴い、EU、米国、カナダを含むいくつかの国は、国境を越えて輸入された炭素集約型製品、特に鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、電力に課税することを検討し始めています。22 このような措置は(WTOでの協議を通過する以外に)実施するのは確かに困難ですが、その理論と必要性を理解するのは難しくありません。気候変動政策と環境意識の高さが無数に存在する世界においては、国境を超えるだけで排出削減を回避されないようにし、国内産業が安価な炭素集約型の輸入品に負けないように保護することもできます。 緑の好循環(グリーンボルテックス)のように、輸出国が自国の炭素排出量を削減することにも繋がる可能性があります。23

中国の重要性とは

中国の習近平国家主席は、2020年9月の国連総会でのスピーチで、2030年まで二酸化炭素排出量をピークにし、2060年までにカーボンニュートラルに到達するという中国の目標を発表しました。これは事実上世界最大級の排出量削減であり、 排出量のピークを迎えた後のカーボンニュートラルの達成も世界最速となります。

中国がその目標に真剣に取り組んでいることを示すものは数多くあります。2021年に再生可能エネルギーの増加率で世界をリードし、世界全体の約半分を占めると予想されています。24 ここ数か月間で、中国はHFCガス25を段階的に削減するモントリオール議定書のキガリ改正案を批准し、世界最大の炭素市場である国家排出量取引システムを開始しました。26また中国のグローバルインフラ開発戦略である「一帯一路(ベルト・アンド・ロード)」構想は、2013年の開始以降初めて、2021年上半期に他国の石炭プロジェクトには資金を提供しませんでした。海外投資のグリーン化に向けた新たなガイドラインを導入した結果であると考えられます。27

さらに重要なことは、かーボンピークとカーボンニュートラルの目標を確実に達成するために、中国は最近国家レベルの主要な省庁のトップで構成されるトップレベルの気候変動「リーダーグループ」を設立したことです。28このリーダーグループを率いるのは、中国の副首相であり、中央政府の最高幹部の1人である韓正です。 これは中国のあらゆるレベルの政策立案者に対して、2030年と2060年の目標を軽視してはならず、カーボンニュートラルは経済全体の変革であるというメッセージを発信するものです。29
WRI(World Resources Institute/世界資源研究所)は、「中国のカーボンニュートラルへの取組みが、気候変動を制御に向けた国際的な取組みにどれほど大きな変革をもたらすかという点については強調されるべきです。 クライメート・アクション・トラッカーによると、中国がこの目標を達成すれば地球温暖化予測を約0.2〜0.3℃下げることが出来ると推定しています。この誓約により世界はパリ協定の目標達成と、気候変動による最悪の影響の回避に一歩近づきました。 」30と述べています。


2050年まではあっという間です

私たちは経験から変革をもたらすシステミックな変化が比例せずに指数関数的に急速に起こることを知っています。 少し前まではありえないと思われていた変化が、あらゆる可能性を秘めつつ起こっているのです。 不確実性の高い時代ではありますが、脱炭素経済が今後数年間安定した成長の機会を提供できることに疑いの余地はありません。 これまでに起こった経済のデジタル化と同様に、一度始まったものは消えることはありません。特に、避けることの出来ない不可逆的な気候変動の影響が待ち受けているという悲惨な科学的予測を考えるとなおさらです。

しかし、私たちは十分に迅速かつ断固とした行動をとることが出来るでしょうか。 ある程度安全な範囲内に収めるためには、2050年頃までにCO2排出量を正味ゼロにする必要があります。忘れてはならないのは、2050年はすぐにやってくるということ、1990年から今までの時間よりもずっと近いということです。そして2100年には私たちはこの世にいないかもしれませんが、私たちの子供・孫たちは生きているのです。
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出典:  IPCC ワーキンググループ I, 2021.

 

補遺
気候変動を語る上で最も難しい点の1つは、世界の平均気温が1度、あるいは0.5度上昇の影響に地域差があることです。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最近発表した気候変動の物理科学的根拠に関する最新の知見をまとめた報告書には、この点を示す猛暑の発生状況のグラフが掲載されています。31 例えば、これまで10年に1度の割合で発生していた猛暑が、現在気温+1.2ºCの温暖化では10年に2.8回発生し、さらに50年に1回の割合で発生していた異常気象が4.8回も発生することを示しています。( IPCCの報告書では、2040年頃に到達するとされている)1.5ºCの上昇では、10年に1回の猛暑は4.1回、50年に1回の猛暑は8.6回に増えます。 0.5℃の温暖化ごとに猛暑の頻度と激しさが増加するとされています。

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出典:  IPCC ワーキンググループ I, 2021.

マリア・グチエレスPh.D.
コンサルタント
サステイナブル・デベロップメント国際研究所 (IISD)
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)


訳:伊藤 蛍、笠原 理香



Climate Change – Understanding the Urgency

Part IV
2020-2030: The Climate Decade

On a par with the continuous stream of headlines on worrying climate change impacts worldwide, we now also find daily news of advances towards decarbonization and climate action. From Court orders and corporate shareholders forcing big oil companies to address their emissions, to financial investors flooding the climate tech sector, not a day goes by that doesn’t include some indication of a decarbonized future. While there are good reasons not to feel too optimistic yet, it does look like this could be a transformative Climate decade.[1]

This essay will highlight significant action underway, specifically the rise of renewables, the market moves to join the energy transition, and the role of government, in particular China. The idea is that, together, these changes are part of what some are referring to as a “green vortex” of positive feedbacks that might finally move things in the right direction.

The Green Vortex

As described by Robinson Meyer, decarbonization isn’t best accomplished by directives but rather as the result of a positive feedback loop, in a self-accelerating process powered by technological change and financial incentives which can be thought of as a “green spiral” or “green vortex.[2] The key driver is profit, but industrial policy - both national and foreign - play a major part.

An instance of this process is what happened with wind energy: according to Greg Nemet, the rise of wind farms can be traced to the 1970s when, as a consequence of the oil crush, Denmark started providing seed investments for a homegrown wind industry, which ten years later found a market in California when the state began subsidizing large wind farms. Likewise, cheap solar energy is said to have largely emerged from the confluence of subsidies for solar panel factories in China, and Germany’s tariffs after 2010.[3]

Key to decarbonization now is the steady progression of clean energy technologies, the piecemeal, bottom-up investment, led on by government subsidies, foreign industrial policies, tax rebates and such incentives. A critical turning point in the process is when the companies that sell high carbon-content products start selling the substitute low or zero-carbon ones. This is the case of electric cars for example, which can turn the automotive industry from one opposing climate change regulations to one favoring them. Signs that this is happening are starting to show: Ford Motor Company, for example, recently announced that it’s planning to spend more on electrified vehicles than it does on internal combustion engine vehicles starting already in 2023.[4] According to recent research by BloombergNEF, electric cars and vans will be cheaper to produce than conventional, fossil fuel-powered vehicles by 2027 – only six years from now – even before any government subsidies.[5]

The rise of renewables

The energy sector is responsible for roughly three quarters of all greenhouse gas emissions.[6] Within it, the largest sources come from electricity and heat generation, followed by transportation and manufacturing.

According to the International Energy Agency (IEA) Global Energy Review 2021, electricity demand is heading for its fastest growth in more than ten years, and renewables are set to provide more than half of the increase in global electricity supply in 2021.[7] China alone is likely to account for almost half the global increase in renewable electricity generation.

The demand for renewables is expected to increase across all key sectors (power, heating, industry and transport), but particularly in the power sector.[8] In fact, renewables were the only energy source for which demand increased in 2020 despite the pandemic, with solar becoming in some places “the cheapest electricity in history.”[9] Annual renewable capacity additions in 2020 increased 45% to almost 280 GW. The IEA expects that the exceptionally high expansion of new renewable power capacity globally will become the “new normal” in 2021 and 2022.[10]

Last year also registered record-breaking competitive auctions for renewable contracts, as well as corporate renewable energy deals, with companies signing Power Purchase Agreements (PPAs) for nearly 25GW in 2020 – a 25% increase.

Putting all this renewable energy capacity to use requires massive investments in grid transmission lines, but can be helped with ongoing improvements in software technology to adjust power flow and grid enhancing technologies that avoid power bottlenecks.[11] The falling cost of batteries has already made a difference. Many scientists therefore expect that the clean energy transition may end up much cheaper than predicted.[12]

From the bottom-up: Market moves

Just a few months ago, in April 2021, RE100, the global initiative grouping businesses committed to 100% renewable electricity, saw a landmark of 300 companies join. Besides the goals of reducing emissions and improving customer satisfaction, what is driving this switch to 100% renewable electricity is cost savings.[13]

Companies under the RE100 group are also pushing the boundaries of energy procurement, with over a quarter of renewable power being sourced by members coming from PPAs that bring additional renewable energy to the grid.[14] Corporate PPAs, which speed up the deployment of renewable energy projects at guaranteed cost, have transformed power markets in the US, Europe and across Asia-Pacific in recent years.

Another example of the corporate advance is the growth of the Science Based Targets initiative (SBTi). According to the SBTi 2020 Progress Report, over 1,000 companies spanning 60 countries and nearly 50 sectors – including one-fifth of the Global Fortune 500 companies – are working with the SBTi to reduce their emissions.[15] In 2020, in spite of COVID-19, organizations joined the SBTi at an average rate of 31 companies a month.

More and more venture capital is also going to climate-tech start-ups.[16] Funds tracking the solar and wind industry consistently outperformed the S&P 500.[17] More recently, the Wall Street Journal reported that NextEra Energy (a Florida firm that sells wind and solar electricity to utilities) had become one of the most valuable energy companies in the world, its value rivaling that of Exxon and Chevron.[18] These days, there's apparently so much private equity and infrastructure fund action in the climate tech space that it's hard to keep up.[19]

Similar changes are taking place in the financial sector, where central banks have started to assume climate change as a financial and economic risk.[20]

While government regulation – or at least the expectation of it – is key, this decarbonization drive is now happening from the bottom-up.

 

From the top-down: The role of government and cross-border action

Still, all this market movement doesn’t completely replace the need for policy. Some of these changes are happening because investors expect policy to arrive. But taken together, they show a belief that the future is decarbonized — and that instead from damaging the economy, climate action could help it.

Fortunately for policy development and implementation, the COVID-19 pandemic made the importance of government intervention painfully clear.

At the international governance level, 2020 turned out to be a milestone year: before 2017 not a single G-20 country had pledged to reach net-zero emissions; now over 50 countries have done so. These pledges, together with those of hundreds of regions, cities and businesses, mean that net-zero climate goals now cover around 70% of global GDP and CO2 emissions.[21] While the assumptions that sustain some of these pledges are questionable, they have at least served to convey the direction in which we’re supposed to be going.

To accompany these commitments, some countries – including the EU, the US and Canada – have started to consider charging levies for carbon-intensive goods imported across their borders, particularly iron and steel, aluminum, cement, fertilizers and electricity.[22] Although these measures are certainly challenging to implement (beyond passing it through the World Trade Organization), it is not difficult to understand their logic and necessity: in a world of myriad climate policies and levels of ambition, they ensure that emission reductions are not evaded by simply crossing international borders, and protect national industry from being outcompeted by cheaper, carbon-intensive imports. In keeping with the green vortex idea, the mechanism has the potential to get exporting countries to reduce their own carbon emissions.[23]

The importance of China

In his speech to the UN General Assembly on September 2020, President Xi Jinping of China announced China’s goal to peak carbon dioxide emissions before 2030 and reach carbon neutrality before 2060. This would effectively be the biggest reduction of carbon intensity in the world and the fastest achievement of carbon neutrality after reaching emissions peak.

Indications that China is serious about its goals are many-fold. The country is expected to lead the world in renewable electricity growth in 2021, accounting for nearly half the world’s total.[24] In the past few months, it ratified the Kigali Amendment to the Montreal Protocol phasing out HFC gases[25] and launched its national emissions trading system – the largest carbon market in the world by volume.[26] And for the first time since its launch in 2013, China’s global infrastructure development strategy “Belt and Road Initiative” has not financed any coal projects in other countries in the first half of 2021, apparently as a result of new guidelines for greening overseas investment.[27]

More tellingly, to ensure that it meets its carbon peak and neutrality goals, China recently established a top-level climate “Leaders Group” comprised of the heads of the key national-level ministries and agencies.[28] The group is being led by China’s vice-premier and one of the most senior officials in the central government, Han Zheng. This sends out the message to China’s policymakers at all levels that the 2030 and 2060 targets are not to be taken lightly and that carbon neutrality is an economy-wide transformation.[29]

As stated by the WRI, “It is hard to overemphasize how transformational China’s carbon neutrality pledge is for international efforts to limit climate change. The Climate Action Tracker estimates that if China meets this target, it will lower global warming projections by around 0.2 to 0.3 degrees C. This pledge puts the world one big step closer to achieving the Paris Agreement's goals and avoiding the worst impacts of climate change.”[30]

In brief: 2050 is closer than 1990.

We know from experience that transformative, systemic change can happen quickly, in an exponential, non-linear manner. Changes that seemed implausible not long ago came to pass against all odds. In spite of the uncertainties of our time, there is little doubt that the decarbonization economy can provide steady, consistent opportunities for growth in the coming years. Like the digitization economy before it, once started, it’s not going away – especially not given the dire scientific predictions of unavoidable and irreversible climate change impacts that await us otherwise.

But will we move fast and decisively enough? To stay within somewhat safe limits we’re supposed to reach net-zero CO2 emissions by around 2050. We must remember: 2050 is already closer than 1990. And we might not be here in 2100, but our grandkids will.

 

maria04_01Source: IPCC Working Group I, 2021.

Addendum

One of the most challenging points to convey when talking about climate change is the difference that an increase of one degree – or even half a degree – in global average temperatures makes, especially in terms of the impact this has at the local level. The recently released report by the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) summarizing the latest knowledge on the physical science basis of climate change includes a chart that shows this point for heatwave occurrence.[1] It shows, for example, how extreme heat events that used to occur once every 10 years will now (at current +1.2º C) occur 2.8 times every 10 years, and those that took place once every 50 years, now will do so 4.8 times in that period. With an increase of 1.5º C – which the IPCC report tells us we’ll reach in ca. 2040 – it will be 4.1 times for the once in a decade heatwave, and every 8.6 times for the once in five decades one. The frequency and also the intensity increase with every half degree.

maria04_02Source: IPCC Working Group I, 2021. 

María Gutiérrez, Ph.D.
Consultant
International Institute for Sustainable Development (IISD)
United Nations Framework Convention on Climate Change (UNFCCC)

脚注:

[1] See: https://worldpositive.com/we-have-entered-the-climate-decade-70b7f433271b

[2] “グリーンスパイラルl” という用語はジョージ・ワシントン大学(国際関係学)のニーナ・ケルセイ教授によるThe term “green spiral” is by Nina Kelsey, an international-affairs professor at George Washington University. See: https://www.theatlantic.com/science/archive/2021/06/climate-change-green-vortex-america/619228/

[3] See Meyer in The Atlantic, above.ブログ、緑の好循環(グリーンボルテックス)の最初の節に記載のアトランティック(誌)のマイヤー氏

[4] See: https://www.detroitnews.com/story/business/autos/ford/2021/08/02/ford-slated-spend-more-evs-than-conventional-vehicles-2023/5454545001/?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=weekly-planet&utm_content=20210803&silverid=%25%25RECIPIENT_ID%25%25&utm_term=The%20Weekly%20Planet

[5] See: https://www.theguardian.com/business/2021/may/09/electric-cars-will-be-cheaper-to-produce-than-fossil-fuel-vehicles-by-2027?utm_term=193f55f77d36fa22893ed6a09d561e23&utm_campaign=GreenLight&utm_source=esp&utm_medium=Email&CMP=greenlight_email

[6] See: https://www.climatewatchdata.org/ghg-emissions?breakBy=sector&chartType=percentage&end_year=2018&source=CAIT&start_year=1990

[7] https://www.iea.org/reports/global-energy-review-2021

[8] See: https://www.iea.org/reports/global-energy-review-2021?mode=overview

[9] See: https://www.iea.org/reports/world-energy-outlook-2020

[10] このような数字をもってしても、IEAは再生エネルギーの役割を過小評価してきた経緯があります。2020年11月に発表された「IEA Renewables Report 2020」では、風力や太陽光の発電量が今後5年間で倍増し、ガスや石炭の発電量を上回り、2025年までに石炭を抜いて世界最大の電源になるとしていました。そのわずか6ヵ月後、同機関は風力・太陽光発電の世界的な成長率の予測をさらに25%上方修正しました。この修正には、政府の補助金を受けずに進めるプロジェクトが予想以上に多かった中国が大きく関係しています。Even with these numbers, the IEA has a history of underestimating the role of renewables. In November 2020, the IEA Renewables Report 2020 stated that wind and solar capacity would double over the next five years and exceed that of both gas and coal, displacing coal as the largest source of power worldwide by 2025. Only six months later, the agency had raised its forecast for the global growth of wind and solar by another 25%. The revised figure had to do largely with China, where more projects than expected were going ahead without government subsidies. See: https://www.iea.org/reports/renewable-energy-market-update-2021

[11] See for example: https://www.greentechmedia.com/articles/read/report-grid-enhancing-technologies-could-save-5b-per-year-double-u.s-renewables-capacity-growth

[12] https://www.carbonbrief.org/guest-post-why-the-low-carbon-transition-may-be-much-cheaper-than-models-predict

[13] 昨年9月にRE100のメンバーを対象に行った調査では、回答者の約70%が100%再生可能エネルギーの電力に切り替える理由として、コスト削減を挙げています。A survey of RE100 members in September last year found that almost 70% of respondents cited cost saving as the driver for switching to 100% renewable electricity. 

[14] See: https://www.there100.org/our-work/press/re100-reaches-300-member-milestone

[15] See: https://sciencebasedtargets.org/sbti-progress-report-2020

[16] See: https://www.pwc.com/gx/en/services/sustainability/assets/pwc-the-state-of-climate-tech-2020.pdf

[17] See: https://www.marketwatch.com/story/here-are-the-clean-energy-etfs-and-stocks-that-are-soaring-in-2020-2020-09-29

[18] https://www.wsj.com/articles/how-a-florida-utility-became-the-global-king-of-green-power-1529331001

[19] See: https://www.axios.com/private-climate-finance-surge-9a60901e-809f-4a95-9f15-88f644e21a95.html?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=weekly-planet&utm_content=20210728&silverid=%25%25RECIPIENT_ID%25%25&utm_term=The%20Weekly%20Planet

[20] https://www.wsj.com/articles/central-banks-jump-into-climate-change-policy-fray-11621166402?utm_campaign=Carbon%20Brief%20Daily%20Briefing&utm_content=20210517&utm_medium=email&utm_source=Revue%20Daily.

リスク管理やグリーン投資、低炭素投資に資本を動員することを目的としている「金融システムグリーン化ネットワーク」は、日本銀行や金融庁を含む95の中央銀行や金融監督機関がメンバーとなっています。As many as 95 central banks and financial supervisors (including the Bank of Japan and the Japan Financial Services Agency) are members of the Network for Greening the Financial System, with the stated goal of managing risk and mobilizing capital for green and low-carbon investments. See: https://www.ngfs.net/en

[21] EAの2021年版「2050年までにネットゼロを目指す。A roadmap for the global energy sector」 をご参照ください。See IEA’s 2021 “Net-zero by 2050: A roadmap for the global energy sector”

[22] EUでは、2021年末までに炭素国境調整メカニズム(CBAM)を導入する意向を表明しています。The EU for example has announced its intention to introduce a carbon border adjustment mechanism already by the end of 2021. See: https://www.nytimes.com/2021/07/19/climate/democrats-border-carbon-tax.html

そして:See also: https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-28/u-k-considers-carbon-border-tax-to-protect-domestic-industry. And: https://www.canada.ca/en/department-finance/programs/consultations/2021/border-carbon-adjustments/exploring-border-carbon-adjustments-canada.html

日米の反応についてはこちらをご参照ください。For referrence to the reaction by the US and Japan, see: https://www.politico.eu/article/eu-carbon-border-tax-support-g7-us-japan/

[23] (例として)オーストラリアの反応:See already the reaction from Australia, for example in: https://www.smh.com.au/environment/climate-change/should-we-pay-a-carbon-tax-to-our-own-government-or-to-someone-else-s-20210615-p5819q.html. または:Or: https://australiainstitute.org.au/report/carbon-border-adjustments/

[24] 2021年の太陽光発電および風力発電による発電量は、中国では900TWh超えると予想され、次いで欧州連合が約580TWh、米国が約550TWhとなっています。China is expected to generate over 900 terawatt-hours from solar PV and wind in 2021, followed by the the European Union at about 580 TWh and the U.S. at about 550 TWh. See: https://www.canarymedia.com/articles/iea-post-covid-carbon-emissions-on-the-rise-draft/

[25] HFCはある種の冷媒として使用され、地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素の1,000倍もあります。中国は世界最大のHFC製品の消費国および輸出国であり、世界の冷蔵庫の60%、家庭用エアコンの80%以上を占めています。モントリオール議定書のキガリ修正案では中国は2024年までにHFCの生産と使用を凍結し、2040年までにHFCの使用量を半減させることになっています。HFCs are used in certain types of refrigerants and have a global warming potential 1,000 times greater than carbon dioxide. China is the world’s largest consumer and exporter of HFC products, accounting for 60% of the world’s refrigerators and more than 80% of its residential air conditioners. Under the Kigali Amendment, China would freeze HFC production and use by 2024 and half HFC usage by 2040.

[26] See: https://sdg.iisd.org/news/trading-begins-under-chinas-national-ets/

[27] 現在建設されている石炭火力発電所の7割以上が中国の資金に依存しています。さらに、日本と韓国も資金提供していますが、韓国は4月に海外の石炭火力発電所への融資を停止すると発表しました。More than 70% of all coal plants built today depend on Chinese funding. Further funding comes from Japan and South Korea, but the latter said in April that it would stop financing coal-fired power plants overseas. See: https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-07-27/china-avoids-coal-projects-in-belt-and-road-for-first-time-ever?sref=Oz9Q3OZU&utm_campaign=China%20Briefing&utm_medium=email&utm_source=Revue%20newsletter

[28] See: https://www.carbonbrief.org/explainer-china-creates-new-leaders-group-to-help-deliver-its-climate-goals#:~:text='Dual%20carbon'%20goals%3A%20%E2%80%9C,%E2%80%9Ccarbon%20neutral%E2%80%9D%20before%202060.

[29] さらに今年8月には、習近平国家主席が議長を務める政治局会議(中国共産党の最高意思決定機関)で、「2030年までを炭素排出量のピークとし、2060年までにカーボンニュートラルを達成する」という2つの目標を「協調的かつ秩序ある方法」で達成するよう、トップレベルの指示が出されました。This was followed in August this year with top-level instructions delivered at a Politburo meeting (the supreme decision-making body of the Communist Party of China) chaired by President Xi Jinping himself, where officials were urged to pursue the nation’s twin goals of reaching the carbon emission peak before 2030 and achieving carbon neutrality before 2060 in a “coordinated and orderly manner.” See: https://www.carbonbrief.org/china-issues-new-single-game-instructions-to-guide-its-climate-action

[30] クライメート・アクション・トラッカーについては リンク先をご参照ください。See: https://www.wri.org/insights/4-questions-about-chinas-new-climate-commitments

各地域での影響については、以下をご参照ください。For Climate Action Tracker, see: https://climateactiontracker.org/press/china-carbon-neutral-before-2060-would-lower-warming-projections-by-around-2-to-3-tenths-of-a-degree/